連載は2004~2013年。リアタイで読んでいた記憶もある「もやしもん」
大人になってから読むとグッとくる要素がありすぎる。
中々に良い作品でした。しみる…
当時、最終回までは読めていなかったため、後半の展開は新鮮に楽しめました。
以下、ネタバレありの感想です。
モラトリアムを感じる
主人公が「菌が見える」というキャッチ―さとか、その菌のビジュアルのキュートさとか、なんとなく”ユルい”作品という印象だったのですが。
それらはあくまで一つの要素に過ぎず、メインテーマは学生たちの成長だったり変化だったりするんだなと思いました。
沢木と兄貴の関係性、
長谷川研究員の家庭との対立と和解、
蛍の常識・固定観念との葛藤、…
あと地味に及川さん。
序盤は除菌女とまで言われていた彼女が、ミス農大になり溶連菌まみれの寮生を抱きしめるシーン、ちょっとぐっときた。
作者がどこかで、登場人物が「右往左往する」作品と表現していましたが、まさにですね。
それがばっちりハマる作品になっていて、素晴らしい。
彼らを見ているとこれがあるべき「大学生」なんだという感じがして、まさに「モラトリアム」を満喫しているようにも思えて、好き…
ゴミカスみたいな学生生活を送った私から見ても、うらやましいとかを感じる隙もなく、ただ素敵。眩しすぎる…が、それがいい…
この作品きっかけで農大志望者が増加したなんて話もチラ見しましたが、それも確かに頷ける(笑)
もやしもんの大学生活の「引力」はすごい。あまりにも魅力的すぎる。
お酒周りの話の感慨深さ
連載当時は未成年で当然お酒を飲むこともなく、「ふ~ん」程度の感想しか持てなかったですが、今読むと面白すぎる…
樹教授の長文語り、スルーしがちだけど、普通に読んでて面白い!
特に好きなのがオクトーバーフェスト編。
これ、実際の醸造所とかメーカーに協力してもらって、ってことなんだよね?凄すぎる。
ページの描き込みも凄くて、隅から隅まで読んで、飲んだことあるところ探してしまったw
今でこそイベントでオクトーバーフェストはよく見るし、クラフトビールも美味しいものがたくさんで、マイナスなイメージなんてないし。
(逆に当初はマイナスなイメージがあったことに驚いた)
それはここ10~15年くらいの出来事なんだなと思うと、関係者の尽力が見えてきて。
素敵だな~と思いながら、漫画を読んでビールを飲む。うまいッス…
長谷川さんと美里さん
きゃあぁ~~~♡♡♡
最高です。ありがとうございます。
フランスでペアルック着ておててつないでた時から好きでさあ、
ひょっとするとくっつくのか?まさかなあ、なんて思いながら読み進めたらさあ、
155話!!!
最高…推せる…
「あたしのこと好きなの?」って聞くって、長谷川さん的には、確認の意なのかしらと思ったね。
「あたしは好きだけど。あんたは?」っていう。このSっぽさ、最高か?
で、告白受けてからの、「仮予約」て、長谷川さん可愛すぎないか…?
そんな彼女に「めっちゃエエ…」って言える美里さんも、かわいい~!!
なんや相思相愛やないか…良すぎる…ベストカップル…フォーエバーラブ…
美里さん、「卒業までにしっかりしろ」的なことを言われてたけど…
なんやかんやでしっかりしちゃうんだろうなと思ったね。美里さんはそういう人。
川浜さんもそうだけど、よき先輩でよき人間すぎる。
菌がかわいい
なんだかんだ、菌達がかわいいね。オリゼーかわいいね。
基本、沢木にめちゃめちゃ懐いてるのかわいいね。
「ただやす~」って寄ってくるのかわいいね。
食パンに「さわき」って書いてくれるシーンすき。
「糖たべたらアルコール出ちゃった」プリッ←かわいい。
「かもしてこ●すぞ」←ヒエッ…不穏すぎ。
いつもはお口ゆるゆるのあほズラなのに、たまに(蛍に押し倒されたときとか)に真顔になってるの笑った。かわいい。
最終巻は沢木以外の人にも菌が見える場面があって、特に樹教授に「けいぞう~」って言ってるシーン、なんかぐっと来た。
「まだまだ俺らのこと知らねーくせに」って菌に悪態つかれて。
本来は物言わぬ長年の研究対象にディスられるって、研究者として感慨深いんだろうな。そら泣くわ。
まとめ
作中でちょうど1年が経って物語が終わるっていうのが、とても綺麗な締め方で素敵だなと思いました。
もうちょっと彼らを見ていたいという気持ちもありつつ…
シンプルに勉強になったなと思うくだりもありました。自給率の話とか、無農薬の話とか…
お酒好きにも薦めたい漫画です!
★★★
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