名前は聞いたことがあるけれど読んだことはない。
そんな漫画を読んで、思うことを書いてみようと思います。
楳図かずおさんの「漂流教室」。連載は1972年から1974年。余裕で生まれる前です(笑)
漫画アプリ「サンデーうぇぶり」で、1日1話のゆったりペースにはなりますが最後まで無料で読むことができます。なんて時代だ・・・
以下ネタバレ有です。
シンプルに表紙が怖すぎる件
冒頭に読んだことがないと書きましたが、リアル小学生の時に一度読んでギブアップした思い出があります(笑)
実家の本棚にあったので読んでみたのだったと思いますが、小学生にはいろいろと衝撃過ぎる内容だよなと改めて思いますw
朧げな記憶ですが、怪虫のくだりあたりで断念したような・・怪虫のデザインがキモ過ぎる(誉め言葉)
読み進めて思いましたが、怪虫よりも未来人類の方がデザイン的には結構すさまじいものがありますね。四足歩行で背中に単眼て・・・泣くぞ
大人になってから読むと色々思いますね。
今の私が教師陣として漂流したら、いち早く発狂する自信があるw
ただ若原先生の狂い方はよくわからなかった。道連れにしたい的なことなのだろうか?
そんな頼りになるはずの大人たちが狂っていく様を見た高松くんのセリフが印象的でした。
大人は物事を理屈で考える、物事の物差しができてしまっている、だからそれにそぐわないことが起こると耐えられない。というようなもので。
そうだよなー。コロナ禍とかは記憶に新しいですよね。
ただそれは悪いことではないというか、ある種当たり前のことな気がして。物事を判断するにはその根拠たる知識なり経験なりが必要になるもので。理屈で考えることは間違ったことでなく、大人であればそうなってしまうものであり・・・
そこが子供と大人の違いなのかなと思った。私もいつの間にかそんな大人になってしまっていたんだなあと・・・悲しくなってきた・・・
一番ぐっと来たのかもしれないのが、防衛大臣の池垣くん。
「わんぱくグループ」で怪虫をやっつけるんだ!!って・・お前・・(;ω;)
わんぱくグループ、シンプルながらすごい言葉。
元気いっぱいで少しやんちゃで勉学は苦手かもしれないけど運動神経は抜群で、というようなイメージがぶわっと流れ込んできて・・・
怪虫に全力で挑んで、最後まで戦い切ったことがわかる死に顔がもう・・
なんでこんなに池垣くんにグッとくるのか自分でもわからないのですが、強く強く印象に残ってます。
本作の主人公は高松くんですが、もう一人の主人公といってもいいのが高松くんの母ではないかなと思いました。
高松くんへの愛情が凄すぎるし、その行動力も凄すぎる。はたから見ると狂ってしまった母親のように見えてしまいますが、彼女には彼女の論理があっての行動なんですよね。このあたりは実際に子供を持っている方はまた違う感想を持つかもしれないですね。
そんな彼女を案じながらも一定の理解を示す夫氏(高松くんの父)も、人間味があっていいなあと思いました。ミイラに薬を埋めるために手術道具を渡すシーン、好きです。
ラストの展開はどうなるのかドキドキでしたが、結果的にはユウちゃん(と半顔の男)だけが元の世界へ帰還するんですね。
高松くん一行は未来世界を復興していくことに意義を見出しているし、緑が芽生えるといった多少の希望を感じさせる描写はあるものの、単純にハッピーエンド!とは言えないような読後感・・
でも必ずしもバットエンドというでもなく、胸に迫るものがある。とても面白い作品でした。読んでよかったです。
今はゆっくりペースですが、同じく楳図先生の「14歳」を読んでいます。
本作の続編的要素もあるということで・・まだまだ冒頭ですがおもしろいです。
落ち着いたらそちらのことも書いてみようと思います!
★★★
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